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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   

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どっちがメインだ? その2

「マーラープロジェクト名古屋」の演奏会の後半プログラムはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」より美味しいところを抜粋したもの。
有名な前奏曲のみならず、歌手と合唱団が登場して、本物の歌劇を再現。これがもう素晴らしい迫力だった。

前奏曲、最初の和音からして「トリスタン〜!」な響きで世界に引き込まれた。
「トリスタン」の内容については理解不能なんだけど音楽は綺麗なんだよなあと思いつつ聴き入っていたら、前奏曲が終わるあたりでトリスタン役とイゾルデ役の歌手がすくっと立ち上がり、互いの名前を呼び合った。その瞬間ステージの空気が変わって、鳥肌が立った。前奏曲のすべてはこの瞬間のためにあったのかと思うほど。

その後も、二人の絡みを中心に主要な場面を演じてゆくのだが、声の迫力は圧倒的で、オーケストラは場面の空気を盛り上げる黒子に徹しているように感じた。音楽が舞台の大道具や小道具の役割を果たしている。音楽が道具として効果を発揮するには、やはりこの歌劇全体を理解していないといけないから、技術面だけでなく、精神面で随分難しいだろうなと思った。

うん、精神面はちょっと難しい。
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どっちがメインだ? その1

昨日、愛知県芸術劇場コンサートホールで行われた「マーラープロジェクト名古屋管弦楽団演奏会」を聞いてきた。

曲目は次の通り。
第1部 マーラー 交響曲第4番ト長調「大いなる喜びへの賛歌」
第2部 ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」全3幕から抜粋
(詳細はサイトでどうぞ→http://www5.ocn.ne.jp/~wagner/601.html)

三時間弱の長大な演奏会だった。コース料理を2種類堪能したにも等しいボリューム。
マーラープロジェクトはアマチュアの団体だけども、よくぞこれだけの企画ができたものだと思う。マーラーはともかく、ワーグナーが前奏曲だけでなく抜粋ですよ? 歌手と合唱団つきで。
むしろ、アマチュアだからこその無謀な熱意がなせるわざかもしれない。
パンフレットも分厚く、その半分が解説で占められていた。トリスタンは抜粋部分の歌詞対訳つき。
チケット代の半分はこの充実したパンフレットのために払ったと考えてもいい。

出演者一覧を見たら、あれまぁ、見知った名前がいっぱい。現在活動しているNフィルの面々はもちろん、いつもお世話になっているVlaのトラさんとか、前にいたオケでいっしょにやっていた人とか。みんな頑張ってるなあ。

あいトリ初戦

8/21〜10/31まで名古屋市内で開催中の、あいちトリエンナーレ2010をちらりとのぞいてきた。
世界中から集まった現代芸術家が、名古屋市内にある二つの美術館とその周辺を舞台にアートを繰り広げるお祭り。

先日は、小手調べとして名古屋市美術館へ行ってきた。主にアジア圏出身のアーティストが出展してた。
うん、まあまあ楽しめたかな。面白いというよりは(いい意味で)イタイ作品が多かった気がする。

たとえば、塩田千春の《不在との対話》。天井からつり下げられた巨大な白いワンピースの上に、透明チューブを何十本と張り巡らせ、その中に赤い液体を巡らせている。それは見るからに血管を流れる血液なのだけども、モーターとポンプ、それに一部のチューブが点滴をひっかける器具にぶら下がっているところを見ると、それは輸血用のチューブ、あるいは人工透析の機械を思わせる。
恐らく「肉体はどこ?」と思わせるのが目的なのだろうが、自分の頭の中には病棟の風景が勝手に浮かんだ。子どもの時も大人になってからも病院にはよくお世話になったので、かなりリアルに。
すると、チューブの中を流れる赤い液体を見るだけでドキドキしてくる。もしも流れが滞ったら。もしモーターが壊れて流れが止まってしまったら、と。そっちの意味で「痛い」かよ、と思わずセルフ突っ込み。別に構やしない、現代美術の鑑賞=作品を通じた自己との対話だと思っているから。

あと、興味深かったのがツァイ・ミン・リャン〔蔡明亮〕の《Erotic Space II》という作品。
展示室の一角が、カプセルホテルみたくいくつもの小部屋に仕切られ、各個室にはベッドとTVモニターとトイレットペーパーが置いてある。それだけ。モニターに映っているのは古代遺跡のベッドルーム……かもしれないけど、あるいはカタコンベかもしれないと思った。私の認識では、性と死は親戚みたいなものだ。
実際にベッドに転がってモニターを眺めてもいいらしく、くつを脱いで作品スペースに入る仕様だった。もし独りで鑑賞に来ていたら、間違いなくベッドに上がっていただろうが、娘の手前、それはやめた。

島袋道浩の「漁村における現代美術」は、何とも言えず温く笑ってしまったかな。
漁村の魅力なんて! あの手の微妙にさびれた味のある港の風景は、案外どこにでもあるし、その風景を愛する人は、名乗りを上げていないだけで今でも沢山いるんじゃないかな。
もちろん、それを芸術として真っ向から取り上げる心意気は素敵だと思う。ただ、自分たちの生活が芸術として祭り上げられてしまった島の人たちは、本音の部分でどう思っているのかが気になる。

ここから先は毒吐き注意報発令中です。

「死化粧師」

4396763514死化粧師 3 (Feelコミックス)
三原 ミツカズ
祥伝社 2005-01-27

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遺体を腐敗から守り、できるだけ生前の姿に修復して棺に収めるエンバーミングという技術がある。このエンバーミングを生業にしている青年が主人公。読み切り連作。
7年ぐらい前から連載が始まっていてドラマ化もされたようだけど、それは全然知らなくてコミックレンタル店の棚で見つけて手に取ってみた。

人の死にかかわる仕事なので、濃くて深いドラマがたくさん登場する。
逆にドラマを作りやすい設定だから、一歩間違うと人の死を料理か何かの素材のように扱ってしまう危険があるけれど、作者はそうならないよう、一話ごとに登場人物に真摯に向き合っている(たとえ一回きりの登場だとしても)感じが伝わってくるので、どんなに泣ける話でも嫌みにならない。

ぼくらも海へ(え?)

夏休みには毎年泊まりがけで旅行に出かけるのが我が家の恒例行事ですが、今年は諸般の事情で見送りとなりました。喜ばしいことに(?)それぞれ忙しいようで。もしかすると、来年以降も無理かも知れない。
この暑いさなかに家にこもっていると、それはそれでつらいので、このお盆休みにはプチ旅行を二件。

ひとつは海水浴。
春に敦賀まで釣りに行ったのだけど、その時に海のきれいさに驚き、すぐ近くに海水浴場があると知ってチェックしてあったのが水晶浜。釣り道具の代わりにパラソルを積んでGO!
出かけたのはお盆明けの平日だったので、県内は知多半島の先にある某海水浴場のような恐ろしい混雑はなく、渋滞や駐車場の空き待ちとは無縁で、ほどよく賑やかな中で楽しめた。
天気はピーカン、波は穏やすぎて無いに等しい。魚が泳ぎ回っている。日焼け止めを塗ってもなお焼けて、記事を書いている今も肩や足が痛い。

子どもたちのお気に入りは岩場からの飛び込み。
自分の度胸に応じて好きな高さを選べるのがミソ。
大きな兄ちゃんたちは岩のてっぺんに立ち、3メートルぐらいの高さから落ちてたぞ。
強者はさらに高い岩場の上から一回転して飛び込み。
肝試しというか、度胸の見せ合いだよね。♂のグループにありがちな。
事故さえ起きなきゃ(←ココ重要)微笑ましいもんだ。


今月のつぶやき

ネタは切れてからが勝負です

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