この週末は土日連続で指揮者来団日。前回、とんでもない目にあったので、この一ヶ月団内トレーナーの方々があれこれ対策を講じた結果、なんとかなりそうな気がしてきた。慣れてきたというか、少しずつ呼吸が合わせやすくなってきた感じ。烏合の衆(こらこら)が脱皮して音楽的まとまりを持つ集団へと変わってゆくよ。オケの練習の醍醐味は、こういう瞬間にあると思う。
恐ろしいほどのテンポの変化に振り回された前回の先週と違い、昨日・今日は音色の表現とリズムの取り方を徹底的に練習。
音色については、余韻のある音を求められた。音が切れた後にほわんと響きを残すようにするのがポイントのようだ。
リズムについては、非常に面白いお話を伺った。フランス人が3拍子をカウントすると、1・2拍目がやや詰まり、そのぶん3拍目をゆったり取ってしまうらしい。というのも、フランス語で123をカウントすると、アン・ドゥ・トロワとなり、発音の都合上どうしても3拍目に時間を食うからだという。(真偽の判断は自己責任でシル・ヴ・プレです)
ということで、ベルリオーズやラヴェルの書いたワルツは、そのことを念頭に置いて演奏しないと音楽的に不適切な表現になるわけで、確かに3拍目を強調すると、それらしく歌える。面白すぎる。
ちなみに、日本の3拍子は1拍目が強く長く、イタリアも同傾向なのだそうで。時代と国によって音律に個性があるのと同じく、リズムもまた然り、ということか。
I村先生いわく、21世紀中には新型メトロノームが開発されて、ウインナワルツ風の3拍子、フレンチの3拍子、和風の3拍子、など、微妙にゆれるテンポが機械で再現されて練習できるようになるのではないかとおっしゃっていたが、それはアリかもしれないと思う。いやホントに開発して欲しいです。アマチュアにとっては切実。もちろん、最終的には自分の身体からリズムが湧いてくるようにしないといけないのだけど、それまでの橋渡し役として。
と、家に帰ってからビアノを習っている娘にこの話をしたら、彼女はデフォルトで3拍目が長いのだとのたまった。あんたはフランス人かー!と突っ込みを入れたところで、今年の発表会の曲はラヴェルのパヴァーヌで行こうと話がまとまった。でも先生からお許しがでるだろうか。