春めく陽気に誘われて、終了間際の愛知県美術館〈ゴッホとゴーギャン展〉を見てきた。
バルビゾン派~印象派という、同じ絵画の潮流に影響を受け、一時は共同生活をするまでに意気投合した二人だが、芸術家同士の宿命なのか、理想に彩られたはずの生活は8週間あまりしか続かず、しかも別れた後にゴッホが耳を切り落とす事件を起こすという、実に後味の悪い出来事もあって、結局二人は再会を果たすことがなかった。
しかし、二人は互いのことを芸術家として深くリスペクトしていた。それがわかるような展示構成だった。
さらっと見ると、ゴッホは線の人、ゴーギャンは面の人、という具合に分類できそうだが、二人の違いはもっと根深い。