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びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   
カテゴリー「美術展めぐり」の記事一覧

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強者どもが夢のあと(「ロシアの夢」展)

岡崎美術博物館で開催中の企画展「ロシアの夢」を見てきた。
今日はイベントのない日だったようで、人が少なく、じっくり見ることができた。

ロシアの夢

ロシア革命直後からスターリンによる静粛が始まるまでの間に、ロシア(=ソビエト連邦)で花開いた芸術活動の紹介。
ヨーロッパから伝わってきたアヴァンギャルドの影響が大きい初期から、国のプロパガンダとして利用された後期まで、政治の移り変わりに合わせて年代順に紹介されている。
演劇「太陽の征服」やサイレント映画「戦艦ポチョムキン」なども映像で紹介されていて、なかなか収穫は大きかった。

これほど政治と密着した芸術も珍しいと思う。普通、芸術は既存の体制に反発する形で発展するものであり、ロシアにおける前衛芸術も始まりはそうだった。しかし、帝政ロシアにとどめを刺す革命が起き、新しい政治体制が生まれると、その政治体制(共産主義)にぴったり寄り添うにして発展を遂げ、体制に潰されて終焉を迎えるのだ。
芸術性を云々する以前に、あまりにも芸術を政治的宣伝に役立てようとする意図が透けて見えるので、近代ヨーロッパ芸術を見慣れた目には、かなり奇異に、そして興味深く映ったのだった。
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スズメのジョニー(違!)

huge-sparrow

先日、アイリッシュセッションが開かれたその場所に、今度はこんな物体が登場した。隣に立つ人の大きさと比べるとわかると思うが、とにかく巨大なハリボテのスズメ。(娘が勝手にジョニー君と命名)遊園地などでよく見かける子供向けアトラクションと同じく、空気で膨らんでいる。これはアートの一種らしい。

というのも、11月の第1週は長久手町の文化祭ウィークだそうで、県芸大の学生による作品が町内のあちこちに登場する。文化の家はちょっとした美術館だし、田んぼの中に不思議な物体が現れたり、農家の作業小屋の中にお城のオブジェが入っていたり。この取り合わせだけでかなりシュールだと思うのだが、極めつけは「屋根研究所」と名前がついている、道端の古びた倉庫。
倉庫の上にはアート祭りを意味する旗が掲げられており、かすかに音楽が建物の中から漏れ出ているが、ひと気はまったくない。案内板にしたがってこれまた古びたドアを開けると、中は真っ暗で誰もいない。芳名帳とスタンプラリー用のスタンプ台があるだけ。と思いきや中央に三角錐の形をした光と映像のオブジェがぽつねんと吊るされていた。なぜか実物大の羊の人形(この子の名前はドリーだと娘は言っていたが…)がオブジェを見つめている。
もう一度言うけど、これは美術館の一室ではなく、ひなびた田舎の謎の倉庫の中で展開されている。何も知らない近所の子供がうっかり足を踏み込んだら、ほぼ間違いなくトラウマになるだろうなぁ。うふふ。

アンドリュー・ワイエス展

愛知県美術館で開催されていたこの展覧会は、個人的に大当たり。「いいもの見せて頂きました」と素直に頭を下げてしまうほどいい絵が並んでいた。

昨年からかなり気にはなっていたのだが、なかなか見に行くチャンスをつかめず、最終日にようやく滑り込むことができた。有名度の違いか、モネ展ほどの混みようではなかったが、真剣に鑑賞する人は、ワイエス展の方が多かった。製作過程がわかるように、習作もあわせて展示されているためだろう。美術部の娘も勉強になったと言っていたし。

この画家の絵の特徴をひと言でいうならば、被写体のすべてに物語が隠されているということ。逆に画家にとって物語性を見出せない事物は絵の対象とならない。一見、リアリズムに徹した画風に思われるが、ただ、事物の表面をなぞるのではなく、被写体に物語を織り込んでいるので非常に深みのある絵になっている。
例えば、納屋の木桶ひとつとっても、それがどんな時にどうやって使われていたのか、さらにはそれを使っていた人の人生まで偲ばれるほどの描写力なのだ。
絵を見れば見るほど、ワイエスという画家は、非常に鋭い観察眼と深い感性と、決して冷めることの無い「絵を描くこと」への情熱を持ち合わせていたのだなあと感じ入った。
こういう絵には、一人でじっくり向き合い、いろいろ考えをめぐらせてみたいと思う。

アンドリュー・ワイエスについてはこちらが参考になります→
http://fumi-hitohira.hp.infoseek.co.jp/wyeth01.html

オレンジと日の出(モネ展)

名古屋市美術館で開催中の「モネ展」へ行ってきた。入場券売り場に行列ができていた。
行列の原因と思われる「印象・日の出」は、さすがというかやはりというか、特別扱い。赤いカーペットの特別スペースに手すり付き見学台が備え付けられ、専任の護衛がついていた。下世話な話だけど、保険金、どのくらいかかってるのかなぁ。

でも自分的イチ押しは「日の出」でも「睡蓮」でもなかったのさっ。(^・^)

クレーに会えた

4062663694クレーの天使
パウル・クレー
講談社 2000-10

by G-Tools

数年前に衝動買いした絵本です
もう、天使が愛らしくて……

名古屋市美術館で開催中の「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展」を見てきた。
改修のため休館中のドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館から20世紀を代表する現代絵画65点を借り受けて展示してあるとのこと。
マチス、シャガール、ブラック、エルンスト、マグリットなど現代美術の有名作家の作品があるほかに、ピカソとクレーの作品が大量に展示されていた。
ピカソも良かったが、クレーの作品を初期から晩年のものまでまとめて見られたのがいちばんの幸せ(*^_^*) クレーの作品は理屈ぬきで好きだから。
作品の横に展示されていた略歴を見たら、彼はバイオリニストでもあり、地元の交響楽団で演奏していたという(さらに調べたら、音楽一家に生まれ育ち、奥さんはピアニストだった)。ものすごく納得した。クレーの絵を見ると、音楽を聴いている時と同じ感覚が動くのはそういうことだったのかと。

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