忍者ブログ

びおら弾きの微妙にズレた日々(再)

音楽・アート(たまにアニメ)に関わる由無し事を地層のように積み上げてきたブログです。

   
カテゴリー「音楽の話」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

そうか、そうだったのか

あるクラシックMIDIサイトを訪れ、そこで 「END GAMES」すなわち作曲家の最後の作品を集めたコーナーを見つけた。
→http://www02.so-net.ne.jp/~hedonism/MIDI/

「最後の作品」というくくり方が好きだし、そこそこの知識もあったものだから面白くてついはまりこんだ。

例えば、ショスタコの最後の曲・ビオラソナタにこめられた怨念だとか、マーラーの10番の終楽章のテーマについてとか、興味深い記事がいろいろ。

マーラーのエピソードがいちばん心にしみた。
マーラーの6番目の交響曲は「悲劇的」というサブタイトルが示す通り、全体を通じて陰鬱な絶望の空気に支配されているが、その中で一楽章の第二主題だけが明るいという。(←まだ自分の耳で確かめていないので伝聞形)
作曲家本人によると、この第二主題は妻・アルマを表しているのだそうだ。さらにこの第二主題は、完成しきれなかった第十交響曲の最終楽章にも美しい形で姿を現す。

奥さんに惚れぬいた作曲家としてはシューマンが有名どころだが、マーラーもそうだったんだなと。
(もっとも、クララは夫の死後再婚はせず、アルマは2度再婚しているあたりが何とも…… 妻を愛することと、妻を満足させることは別問題だ(^^ゞ)

これまで十番は、本人の手で完成された第一楽章のみしか聴いたことがなかったし、聴く気になれなかったのだが、近々全楽章を通して聴いてみたいと思う。音源は手元にある。
でも、マラ十は第一楽章ですでに彼岸の世界を具現しちゃってるからな。最後まできいたら現世に戻って来れなくなりそうだ。

PR

日本語? ENGLISH?

最近、クラシックを聞き込んでばかりいるせいか、やたらとポップスが聴きたくなる。Jポップはあまり好きじゃないので、出かけるときは車のラジオを radio-i に合わせ、海外の、しかも欧米系の曲ばかり聴く。

英語の歌はリズムがいい。言葉のリズムと曲のリズムがぴったり合っている曲が多いから、聞いていて気持ちいい。
そこへ行くと、日本語は、英語と違ってリズムではなくイントネーションで意味を理解する言語だから、せっかくノリのいいメロディを作っても、歌詞をつけると平板になってしまう気がする。
無理にリズムを優先されると意味がわからなくなるし。(サ☆ンとか佐野☆春とか/笑)
そのかわり、昔の童謡なんかをあたらめて聞いてみると、驚くほど言葉が美しく響いているのがある。もともと、日本の古来の歌ってゆったりしたリズムが多いような。
言語によって向き不向きってあるんだな。

田園にいる夢

本日は田園の2楽章をスコアリーディング。
スメタナとか違う意味で参った。

12/8拍子で、踊るにはゆっくりすぎるテンポ。なんと主役は中~低弦としか思えないメロディの重ね方。
それらしいメロディ、つまり歌える旋律は、もちろんバイオリンや木管が担当しているけれど、出番は多くない。むしろ、うねうねと続く中~低弦の分散和音の流れに合いの手を入れることが多いのである。
だから、スコアを追っていると、「え? 今主旋律を担当しているのはどこ? バイオリンじゃない、フルートでもクラリネットでもない……。はっ。まさかこの16分音符をうねうね弾いている弦楽器群(ビオラ含む)?」という場面に何度か遭遇する。
ベートーベン御大も恐ろしいことをやってくれるものだ。

その一方で、バイオリンのメロディにちょっかいを出すビオラの使い方がすごくお茶目だったりして、だから御大の曲を弾くのは好きなのさっ。

少々のどかすぎて退屈なこの楽章、ラストにびっくり箱みたいな仕掛けがある。
それまで恐ろしく形式的に進行してきたのが、楽章が終わる約10小節前あたりでいきなり鳥の声が現れるのだ。担当するのはもちろん木管だけど、それが本物っぽく聞こえるのが心憎い。
これが、うたた寝しているであろう聴衆を目覚めさせる仕掛けだとしたら、なんてお茶目なんだろう。目覚めた聴衆は、そこが自然豊かな田園地帯でなく、実は演奏ホールだったということに驚くかもしれない。

スメタナって鬼かも

先日、はじめてスコア片手に「売られた花嫁」を聴いた。
なにしろvivacessimoだから早いことは早い。だが高速8ビートと思えば何とかついてゆけそう。あとは指さえ回れば……。

リズムは良しとして、驚いたのが和音の移り変わり。
目まぐるしくうごく♪を目で追っていると、とつぜん「こうくるか!」という感じで転調する。さらに転調して和音が変わり……、と真面目に聞いていると頭がくらくらする。
こんなの、きちんと音がとれるんだろうか。
そういえば、モルダウの時も、延々と続くアルペジオは微妙に和音が変わり、それがとても難し美しかった。きらめく川面を見ているみたいだと思った。
スメタナって、もしかして天才肌の作曲家ではなかったのかと思う。
ど派手な見栄は切らないが、細かいところで「おおー」と思うような工夫がなされているのを見ると、そう感じる。

でも、そこが奏者泣かせなのよ。鬼才だね、

ささやかだけと゜元気の出ること

昨日、いらないオモチャを売りにハードオ○へ行った。
車に乗り込んで、何気なくラジオをNHKFMに合わせると、とても聞き覚えのあるメロディが。
ボリュームを上げてしばらく続きを聞く。間違いない、チャイコフスキーの一番だ。
冬のど真ん中に「冬の日の幻想」とは洒落ているなと喜んでいたら、フィナーレが始まる前に店についてしまった。
少しばかり後ろ髪を引かれる思いで車を降り、店で用事をすませる。売ったついでに買い物をするのはいつものことで、この日はCDコーナーでメンデルスゾーンのVnコンチェルトを入手。これで次の定演の曲がすべてそろった。
車に戻ると、「冬の日の幻想」は終わり、ピアノ演奏が始まっていた。つづいて弦楽器の音。ああバイオリンソナタかと思っていたら、バイオリンではあり得ない低さの音がする。
まさか、と思ってよーく曲に耳を傾ければ、これまた聞き覚えのあるメロディが流れてくる。
ブラームスのビオラソナタだ。
しかし、ビオラの音色が聞き慣れない。言い方は悪いが、響きを押さえたバイオリンみたいな音がする。
これは、艶やかで甘い今井信子氏の音ではないし、逆にいかにもビオラらしい渋い音を出すバシュメットでもない。
曲が終わって演奏者の紹介を聞いたときになるほどと思った。何かの国際コンクールで3位に入賞した日本人の演奏だった。名前を忘れてしまったのが残念。

たったこれだけの事だけど、出かける前と後では、気持ちの重さが全然ちがう。
ラジオで好みの曲に出会うと、おみくじで大吉を引いたのと同じくらいラッキーな気分になれる自分がなんだか可笑しい。

今月のつぶやき

ネタは切れてからが勝負です

☆CONTACT
→ littleghost703@gmail.com
※@を半角にしてください
☆Twitter→@O_bake
☆読書記録は別ブログO-bakeと読書とひとりごとでつけてます。そちらもよろしく。

ブログ内検索

アクセス解析

過去記事紹介

過去記事紹介・たまに読書ブログへとびます
過去記事紹介・たまに読書ブログへとびます

Copyright ©  -- びおら弾きの微妙にズレた日々(再) --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]