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びおら弾きの微妙にズレた日々

シャガールは何に描いてもやっぱりシャガール

年が変わってからずっと楽しみにしていた愛知県美術館のシャガール展、ゴールデンウィークの谷間を狙って見てきた。

今回の展示は、舞台美術や聖堂のステンドグラス、オペラ座の天上画など、キャンバス以外の大作が中心となっていて、シャガールの別の面を知るよいきっかけとなった。というのも、それまで自分が持っていたシャガールのイメージというのが、天才にありがちな、内面を掘り下げることに夢中になりすぎて人付き合いがうまくできない芸術家、であり、そのイメージのもとになったのがどの作品にも必ず顔を出す特定のモチーフと、独特の色の配置だった。ちなみにシャガールの色使いは、色彩学の専門家に言わせると病的な気質を示す合わせ方なのだという。


しかしこの展覧会では、シャガールの年をとっても一向に衰えない創作欲、創作を進めるために必要なコミュニケーション能力を見せつけられることになった。カンバスだけでなく、舞台美術、ステンドグラス、陶芸、織物など、様々な素材を使って独自の世界が表現されているわけだが、それを成功させるには各分野の職人との密接なコラボが必須だ。作品からはシャガールが各分野の職人の尊敬を見事に勝ち取った痕跡がうかがえる。そして実は「精神的に病んでいそうな天才」というイメージの真逆を行く職人的で健全な仕事ぶりの芸術家だったと知る。


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ハイレッド・センターやばすぎ!

トリエンナーレが終わって寂しいと思う間もなく、名古屋市美術館では刺激的なアート展を開催していた。
〈ハイレッド・センター: 「直接行動」の軌跡展〉


世界を救いたいダッチワイフ

あいちトリエンナーレは終わってしまったけれど、関連話をひとつ。

いくつかの会場でときおり聞こえてくる「Ah~」という女声の響き。かなり耳につく音なので気づいた人は多いと思うけれど、これはブーンスィ・タントロシンの映像作品《Superbarbara Saving the World(スーパーバーバラ世界を救う)》(2012)のイントロ部分。この作品は短い映像の集合体なので、トリエンナーレ各会場の、無料で見られるエントランスやロビーに1エピソードずつ分けて置かれていた。(ただし、全作品がまとまって見られる納屋橋会場では、有料ゾーンに展示)

スーパーバーバラというのは、空気で膨らむ人形でもともとはダッチワイフだったらしい。いくつかの短いエピソードから成り、それもひとつのまとまった動作を4~5回繰り返して終わる。見終わると独特の徒労感に襲われるとともに、気の毒なヒロインであるバーバラに何とも言えない同情心が生まれる。

ふわふわと反重力展

これもまた文化の日の話になるのだが、豊田美術館で開催されている「反重力展」を見てきた。あいちトリエンナーレ共催事業のひとつで、これも現代アートの展覧会。

愛トリ2013 納屋橋会場編

終了間際の10月25日、台風が近づく中、もう後が無いからと納屋橋会場に駆け込んだ。
会場となる東陽倉庫テナントビル周辺は、天気のせいもあってか閑散とした様子。もしハズレだったらどうしようかと恐る恐る入り口の階段を登りったけれど、そんな心配はまったくもって不要だった。

扉を開けてみれば、中には音楽と映像を中心とした見事なインスタレーションの迷宮が広がっていた。



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