「お犬様」が我が家に来てからすでに半年以上。
きゃつは室内を自由に歩きまわり、時にはマーキングを行いつつ(そのたびにど叱られてはしょげるがすぐに忘れる)、まるで10年も前から家に居るかのような態度。
互いのコミュニケーション力はいかほど進歩しただろうか?
「ワンワン」で通じるのようになってひと安心したのは初夏のころだっただろうか。
しかし、それはまだ初心者の段階。まだまだ先があったのだ。
「ぐふぐふ」。
今は鼻を鳴らす音でだいたいの用がわかってしまうのだった。例えば、掃き出し窓の前で軽く鼻を鳴らし、じっと人の顔を見る。これは「シッコするから庭へ出せ」。あるいはフンフン言いながら餌入れのまわりをぐるぐるする。「メシがない。どうなっとるんじゃ」。人がソファでよっこらしょとくつろいでいると、そそくさとやってきて、前足でこっちの手を軽くひっかく。「暇なら相手しろ」。
意思疎通はスムーズになったが王様キャラは相変わらずだ。
おかげで犬は吠えることを忘れかかって、たまに吠えると声が裏返るほどになった。(続きあります)